ここ大井は、愛知県尾張地区の知多半島先端にある南知多町にあります。
昔も今も漁業で生計を立てている世帯が多く、独特の言い回しや言葉が多
く残っています。
大井言葉は方言であり名古屋弁の影響も少なからず受けています。
漁師言葉はいわば専門用語です。
それぞれ標準語でどのような表現になるかをお楽しみください。
また、標準語からご紹介した大井言葉・漁師言葉がわかる
「逆引き、大井言葉・漁師言葉」もご用意しております。こちらも
あわせてご覧ください。
参考:インフォシーク大辞林
大井言葉 |
意味(標準語) |
用例 |
| あいで | あれで | あいで小学生だげな |
| あてことする | あてにする | 人をあてことする |
| 重なる | 重くなる | 網が |
| おんし | お前 | − |
| おんしゃぁ | お前は | おんしゃぁ、誰の子だ? |
| がれ | 〜の家 | 純一郎がれ |
| かたぶく | 傾く | 屋根がかたぶいた |
| かったぐ | 傾く | 屋根がかったいだ |
| 〜げな | 〜だそうだ 〜らしい |
あいで小学生だげな |
| こや | これは | こや、雨だな(これは雨になるな) |
| さかしま | 逆さま | さかしまについとる |
| しゃあく | 潰す | ガゼを踏んでしゃあく |
| 〜しゃい | 〜しなさい(やや命令調) | やらっしゃい(やりなさい) いかっしゃい(いきなさい) |
| 〜せい 〜せよ |
〜しなさい(命令口調) | はよ、せい(早くしなさい) |
| 〜せいとる | 懸命に〜を行っている | やりせいとる(懸命にやっている) 引きせいとる(懸命に引いている) |
| そいで そいで? |
それで それで? |
そいでどうしたの? |
| たあけ | たわけ、ばか | お前、たあけかぁ!(喧嘩中) |
| 〜だがや | 〜だな | 雨だがや |
| つかめる つかめた |
捕まえる 捕まえた |
カレイをつかめる |
| ど〜 | 形容詞の先頭につけて強調する | どえらい雨(とてもひどい雨) どぎたねぇ(とても汚い) |
| どいで? どいでぇ? |
どうして? | どいで行くの? |
| 〜とる | 〜ている | 付いとる(付いている) ささっとる(刺さっている) |
| とらめる とらめた |
捕まえる 捕まえた |
カレイをとらめた |
| てっくらがる | 転げ落ちる | 階段からてっくらがった |
| てっくりがえる | ひっくり返る | 仰向けにてっくりがえった |
| てまえ | お前(やや蔑んだ言い方) | てまえは何様だ! |
| どんぼち | くぼみ (深くて大きめのくぼみ) |
どんぼちに水がたまった |
| 鼻っちょ | 先端 | 堤防の鼻っちょ(堤防の先端) |
| はい(早い) | もう | はい行った?(もう行ったの?) |
| はよ(早よ) | 早い | 朝はよから雨だった |
| 踏みしゃく | 踏んで潰す | ガゼを踏みしゃく |
| ほいじゃ | それでは | ほいじゃ、よかったな |
| ほいで ほいで? |
それで それで? |
ほいでどうしたの? |
| ほうかる(放下る) | 投げる | 籠をほうかれ(籠を投げろ) |
| まんだ | まだ | まんだ起きとる? |
| 山のようになった 山になった |
山盛りになった | ガゼで網が山になった |
漁師言葉 |
意味(標準語) |
用例 |
| あいば尻 | 吉田町吉良吉田の沖合い | − |
| あおさ | 緑藻類アオサ目アオサ属の海藻の総称 (大辞林より) |
− |
| あば(網端) | 魚網につける浮き(大辞林より) | あばが強い(浮きが多い) |
| 網をすく | 網を編むこと、繕うこと | 網をすいて一人前だ |
| あんばり(網針) | 網結針(あみすきばり)。 網を編むときに使用する扁平な舟形の針 |
あんばりを持って来い |
| いわて | 北側 | いわてへいってみる |
| 浦前 | 大井漁港の入り口付近 | 浦前に戻る |
| 海が白なっとる | 海全体に白波がたっている様子 | どえらい風で海が白なっとる |
| 大黒 | 大きな黒鯛、4・5年もの以上 | − |
| 沖 | 海岸から離れる方向、沖合い | − |
| 沖へ行く 沖へ出る |
@漁に出る A海岸から離れること |
@明日は沖へ行くぞ Aたあかから沖に出た |
| おくごおり | 渥美半島に福江から江比間付近の沖合い | − |
| かくだて (さしあげ) |
定置網 | − |
| ガゼ | ウニの古名 | ガゼで網が重なった |
| かれ網 | カレイを専門で獲る網とそれを行う船・人もさす | かれ網の船 (カレイを専門で獲る船) |
| かんこ | 船倉、特に魚を生かす船倉を指す場合が多い | かんこのひ(栓)を抜く |
| 北っぽ | 北よりの風 | 北っぽが吹いてきた |
| ギマ | カワハギの総称、特に小さいもの | − |
| くだる(さがる) | 南へ行く | いわてからくだってきた |
| くだり | 南側 | かくだてのくだり |
| くり | 漁の回数を表す単位 | 1くり、2くり |
| ごすたん | 船を後退させる | ごすたん! |
| コチ | カサゴ目コチ科コチ、体長60cmにおよぶ | 大ゴチ |
| ごっち | 底引き網ならびにその漁法・漁船・人を指す | |
| ごへ ごへー ごーへー |
船を前進させる | ごへー、せよ (前進しろ、「よ」にアクセント)) |
| さがる(くだる) | 南へ行く | いわてからさがってきた |
| さしあげ (かくだて) |
定置網 | |
| 下波 | うねり | 今日は下波がえらい(大きい) |
| しまける | 水面にさざ波がたつ | ちょっとしまけてきたなぁ |
| せいろ | 長方形の浅い籠、トロ箱 | せいろに一杯の魚 |
| ゼンボ | ブジツボ | − |
| たあか | 海岸側 | たあかに上がる |
| たが縄 | 魚網にあばをつけるロープ | たが縄が切れた |
| 建て網 | 海に垂直に網を入れる漁法と その網自体をさす。定置網も立て網の一種 |
建て網の船 (建て網で漁を行う漁船) |
| 建てこみ | 網を海に入れて数時間後に上げる漁法 | 建てこみ(の網)を籠に1杯船に積んだ |
| 段ぶち(段縁) | 海底の段の縁 | 段ぶちに魚がおった |
| つかわ瀬 | 大井の沖合いにある瀬 | − |
| 伝馬(てんま) 伝馬船(てんません) |
全長5・6m程度の船、動力は船外機 | 伝馬に乗る |
| 西浦 | 知多半島西側の海域、特に内海より北をさす | − |
| ハゴ | 黒鯛の子、2年物くらいまで | ハゴ10枚 |
| ひ | 栓 | かんこのひを抜く |
| へいじ へいじがめ |
蛸漁を行うための蛸つぼ | この浮けはへいじだな (この目印の浮きはへいじの浮きだな) |
| ほうべ | 大井の沖合いの海、つかわ瀬の近く | − |
| ぼんでん | 魚網を海中に入れたときの 目印となる浮き付きの旗ざお |
ぼんでんばっかだがや (海中に網がいっぱい、の意) |
| まぜ | 南風 | まぜが吹いてきた |
| や | 魚網につける錘。鉛製。 | やが重い(錘がおもい) |
| やまて | 漁場の目印。 主に山の稜線や建物など |
やまてが違う |